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Appleは「なぜ」を伝えて成功した!優れたリーダーは、何を大切にしているのか?

マーケティング・コンサルタントであるサイモン・シネックがTed Talksで語った内容が、ビジネス成功の大きなキーになると話題になっている。

彼は、アップルやライト兄弟、キング牧師などを例に挙げ、彼らの共通点から「優れたリーダーや組織はどうやって行動を促すか」という法則を語った。

彼が最も伝えたいことはただ一つ、“人は「何を」ではなく「なぜ」につき動かされる”ということだ。スピーチを簡単にまとめると、

「なぜ」を示して心を掴んだApple
Appleはプロダクトを紹介する代わりに、彼らがなぜそのプロダクトが必要なのかを、伝えた。

「夢」を信じてくれる仲間が大事
お金もマーケットも必要ではなく、本当に必要なのは一緒に夢を信じる仲間たちだ。ライト兄弟は夢を信じつづけたからこそ、成功できた。

「何」かだけを説明しても、売れない
プロダクトばかりを紹介しても、よく分からないが、そのプロダクトがあなたの人生をどのように変えるのか?を伝えることが大切。TiVo(ビデオレコーダー会社)はそれによって失敗した。

「自分ごとにする」大切さ
キング牧師は、みんな人の夢のためではなく、自分のために行動している。

ここからは彼のスピーチをご覧頂こう。

優れたリーダーや組織は、
なぜを大切にしていた

3年半ほど前、私はある大事なことを発見しました。そしてこれが、考え方をガラリと変えてくれました。

アップル、ライト兄弟、そしてキング牧師など世界的なリーダーや組織には、共通する考え方や、コミュニケーション方法があったのです。そして彼らのやり方は、一般の人のやり方とは真逆でした。どんな組織でも、自分たちが何をしているかはわかっています。でも「なぜやっているのか」がわかっている人や組織は、非常に少ないのです。

大切なのは、何を信じているのか?その組織の存在する理由は何か?なぜそれが大事なのか?です。

「なぜ」を示して
心を掴んだApple

例えば、私がアップル製品を購入し利用するのは、使い勝手がよく、簡単に操作できるからですが、もしAppleが「普通」の会社であれば、こんな感じのCMを作るでしょう。

「我々のコンピュータは、美しいデザインでとても使いやすいです。 ひとついかがですか?」これではあまり、魅力を感じません。こんな風に「普通」の会社は、製品がどう優れていているのかを説明して、購入を期待します。

でも、Appleならこんな風に伝えます。

「私たちは世界を変えたいという思いがあります。今までとは違う考え方に価値があると信じているからです。世界を変える手段として、美しいデザインで、使いやすい製品を作ろうとして、このコンピュータができあがりました。世界を一緒に変えませんか?」これなら心を惹かれませんか?

今変わったのは、情報の順番を逆にすることだけです。しかしこんなにも感じ方が違ったのは、人は「何を」よりも「なぜ」に心を動かされるからです。

iBook G3 500 Mhz 128 RAM 10 GB Hard Drive DVD-ROM

実際には、Appleと他社とで何か仕組みが違うわけではありません。競合会社にだって同様の製品をつくる力があり、実際に数年前にもっと優れた製品をだした会社もあります。しかし、全然売れませんでした。

人々は 「なぜやっているのか?」に反応するものです。だからまずはなぜやっているのか自分でわかっていなければ、みんなを引き付けられるわけがないのです。

夢を持っていたライト兄弟と、
成功できなかったラングレー

20世紀頭に、有人動力飛行は多くの人が挑戦しました。あまり知られていない人物ですが、飛行に挑戦していたサミュエル・ピエールポント・ラングレーは、一番はじめに飛行した人物なのです。

失敗する大きな理由としては、資金が足りなくなること、人材が不足すること、市場環境の変化、の3つがあります。ラングレーの場合は、5万ドルの資金を陸軍省から与えられ飛行機械を開発したので、資金は問題ありませんでした。

ハーバード大学に在籍し、博物館で働いていた彼は人脈も豊富でした。そして金にものを言わせて最高の人材を集めました。さらに市場の環境は絶好、ニューヨークタイムズは彼を追い掛けまわしていました。

Handshake - 2 men

ではなぜ、今や誰もラングレーのことを知らないのでしょうか。

私たちがよく知っているのは、そこから数百マイル離れたライト兄弟、オーヴィルとウィルバーです。

彼らは成功のレシピとはまるで無縁で、お金がなく、夢に挑む資金は自分たちの自転車店から持ち出しで、ライト兄弟自身もチームの仲間も誰ひとり として大学を出ていませんでした。だからもちろん、ニューヨークタイムズに追いかけ回されたりもしていませんでした。

大きく違っていたことは、ライト兄弟は理想と信念に動かされていたということです。彼らはもしこの飛行機械を作り上げることができたら、それは世界を変えることになると信じていました。ライト兄弟の夢を信じた仲間も、血と汗と涙を流して共に働きました。

そしてついに1903年の12月17日、ライト兄弟は初飛行に成功しました。そのことを知った瞬間、ラングレーはこの挑戦を諦めました。彼が求めていたのは富と名声、それだけだったのです。

仲間たちもただ給与のために働いていたので、同じ。もし、夢を持っていたなら、我々の手でもっと良いものを作ろうとなっていたかもしれません。

Side view

一緒に夢を追いかける
仲間を集めよう

単に仕事を求めている人を雇うのではなく、自分の信念を信じてくれる人を雇うべき。

仕事ができるというだけの理由で採用した人は、お金のために働くでしょう。しかしあなたの信念を信じてくれる人を雇えば、その人は血と汗と涙を流して働いてくれるのです。

アーリーアダプターの存在
iPhoneが成功したのは、

「イノベーション普及の法則」と呼ばれるものがあります。人口の2.5%は イノベーターで、13.5%はアーリーアダプター。34%はアーリー マジョリティー、そしてレイト マジョリティー、ラガードと続きます。

アーリーアダプターの人は、自分の直感に従って決める人たちです。多くの人が試そうという気になるのは、アーリーアダプターの人たちが使った後。

アーリーアダプターは、まさにiPhoneが登場した日に6時間並んで買う人たちのことです。次の週になれば、歩いて店まで入っていってすぐその場で買えるというのに、そうしません。一番乗りをしたいという想いです。
まさに「何を」ではなく「なぜ」に動かされているわけです。
Original iPhone + iPhone 3G + iPhone 4

ビジョンを語らず、
「何」だけを説明して失敗したTiVo

イノベーションの普及の法則に関する有名な失敗例と有名な成功例があります。

まずは失敗例を示します。今から8、9年前に市場に登場したTiVo(テレビ放送を録画できる家庭用ビデオレコーダー)は、金と人材と市場環境は完璧でした。しかし、商業的には失敗に終わりました・・・。

TiVoが登場した時、彼らはそのプロダクトが「何か」を説明しました。「生放送を停止したり見たくないCMをスキップしたり、巻き戻しできるテレビです。好きな番組も自動的に記憶してくれます」ほとんどの人は、「信じられないね 。そんなのいらないし、気に入らないな。何だかぞっとする製品だね。」と。

PC

ではもしTiVoがこんな風に言っていたらどうだったでしょう。「自分の生活を、自分でコントロールしたいという人のために素晴らしいプロダクトをつくりました。生放送を止めたりCM をスキップできたり、好みの番組を記憶したり。」

結果は、変わっていたかもしれません。

共感した25万人が
「自分のため」に集ってくれる

成功した事例を紹介します。1963年の夏、25万人もの人が集まってワシントン通りを埋め尽くし、キング牧師の演説に耳を傾けました。招待状が送られてきたわけでもなく、ウェブサイトで拡散したわけでもありません。

当時、キング牧師は偉大な演説家というわけではなかったし、他にもたくさんの演説家がいました。

彼が周囲と明らかに違ったのは、アメリカを変えるために「何」をすべきかを話さずに、彼は自分が信じていることを語ったのです。「私には夢がある」という演説をしたのです。「私にはプランがある」という演説ではありませんでした(笑)。

そして彼が信じることに共感した人々が、彼の夢を自分たちの夢として、他の人にも伝えました。組織を作り、さらに多くの人々に伝えるよう動いた人たちもいました。その結果、25万人もの大衆が集まったのです。

The Joy

さて、この中でキング牧師のために集まった人は何人いたんでしょうか?答えは、ゼロです。みんな自分自身のために、集まってきたのです。

リーダーと、導く人は違います。リーダーというのは、権威や権力の座にある人です。でも導く人というのはみんなを動かすものなんです。個人であれ組織であれ、我々が導く人に従うのは、そうしなければならないからではなく「そうしたいから」です。導く人に従うのは、彼らのためでなく「 自分自身のため」です。

そして 「なぜ」から始める人が、周りの人を動かし さらに周りを動かす人を見出せる力を持つのです。

Reference:ted


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